2019/04/10
着せ替え遊び
厚紙に、お人形さんが印刷されている。隣には、ピンクのイブニングドレスが、印刷されている。レースにフリル。
パールのネックレスも、ティアラもあるよ。
その横には、紫色のスーツ。
靴も色々。
ミニスカート、赤いセーター、パンツルックもある。
ワクワクしてハサミで切り取る。
そして、お人形さんにそおっと着せると…。かわいい…。
愉しい着せ替え遊び。
母、苦々しく見ている。
切ったお人形やドレスを持って別の部屋に行こうとして
たくさんの衣裳をまとめて抱える。
小さな手から、ひとつ、ふたつ、落ちてしまった…。
それを、それを、走って来て拾って、握り潰した母。
「こんなもの!!こんなくだらないもの!!安っぽくて大っ嫌い!!」
あ、あ。
やめて…。
でも、声が出ない。
手が届かない。
全てを取り上げられて、そうして、捨てられてしまった。
「何これ?こんなもの。」
あ。
やめて。
ママ。
「外行ってきな」
泣いたりしたらいけなかった。
だから、黙って外へいく。
ツツジの花を見て、ドレスみたいだなと、思って、ひとつ摘んでみる。
葉っぱに着せてみる。
ひとり、ふたり、さんにん、と、ツツジのドレスを着たお姫さまが並ぶ。
母が来る。
「何やってんの!!片付けなさい!!!」
悲しくはなかった。
毎日のことだから。
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