2019/02/26
幼い自分に名前を付ける
幼い頃のイメージは、夕暮れに庭でひとりで泣いているイメージです。紅い夕陽が、あたりを染めて、庭の色が変わる時、家に帰る時間が、嫌だったのを思い出します。
家の近くの神社で、ひとりでしていた遊び。
蟻を殺す遊び。
自分よりも弱い蟻。小さな蟻。
行列から一匹捕まえて、殺す。
また一匹殺す。
繰り返す遊び。
ひとり。
夢中で殺した。
この痛み。この恐怖。この背徳的な行為。
殺してしまったら、取り返しがつかないんだ、と、何度も思った。
石で潰したり、足をもいだり、頭を切ったりした。
これを強烈に記憶しているのは、多分自分でも、残酷な嫌な遊びという意識があったのだと思っている。
でも、やめられなくて、その日は日が暮れるまで、蟻を殺していた。
帰り道、私の事をお母さんが嫌いなのは、私はこんな嫌な子だからなんだと、妙に納得した。
今でも、心の中にうずくまる女の子。
かわいそうに、ひとりぼっち。誰も頼る人はいない。
ひとり。
幼稚園でも、なんだか、みんなと馴染まない。
その子をちーちゃんと名付けて、呼んでみる。
こっちおいで。
下を向いて、泣きたいのだが、泣けないちーちゃん。
大丈夫だよ、泣いて。
五十を過ぎた自分が、ちーちゃんを抱きしめる。
遊ぼうか?
良い子だね。
あなたは、可愛くて良い子なの。
あったかいところに行こう。
抱っこしてあげる。
一緒に美味しいご飯を食べようね。
犬を飼いたいんだね、大きな犬を飼おう。
セントバーナードがいい。
猫ちゃんも。
そして、馬に乗ろう。
お馬さんは、優しいよ。
ちーちゃんの欲しいものは何?
そして、抱っこしてあげる。
そして、いつも笑いかけてあげる。
どんな時も味方だよ。
そばにいてあげるよ。
ありのままでいいんだよ、ありのままのちーちゃんを、
私は大好きでいてあげる。
そういう想像をして、自分を可愛がってあげましょう。
幼い頃の自分を育て直すのです。
泣いていたら、抱きしめてあげましょう。
もう、何年もそうしていますが、
私の心の中のちーちゃんは、いつもうつむいて、涙をためています。
必ず夕方。
夜は、叱られる時間なので、ちーちゃんは、いません。
朝も、叱られる時間。
学校では、演技をしているちーちゃん。しっかり者の、優等生です。
夕暮れの隙間の時間。寂しい時間。それが、本当の私。
いくら可愛がっても、
ちーちゃんは、まだ、笑う事は、ありません。
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