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「前向き」の功罪~その1

昔、癌経験者の本を読んでいた時、
「あ、このひとは、死ぬ…」
と直感的に思った著書があった。

独身で美容師であるという著者は、闘病日記にも関わらず、力に溢れ、本には、明るくこう綴られていた。

「私は、手術の後、抗がん剤が終了したら、すぐにお店を再開し、今まで以上の努力をして、たとえ寝る時間がなくても、どんなに苦しくても、どんな時でも精一杯の笑顔で生きていこうと思う。絶対に弱音は吐かない。絶対に、健康に気をつけて、常に前向きに、生きて、再発しないように必死に頑張ろうと思う」


どこをめくっても、前向き、絶対、どんなに苦しくても、必死で、笑顔で、の文字がある。





こりゃ、ダメだ…、と、私は思った。





で、そのあとがきを読んで、愕然とした。「こんな素晴らしく前向きな方は、絶対に癌に勝つと、確信しています。是非これを皆さんに読んでいただいて、癌も怖くないと知っていただきたかったので、出版を勧めました。」
とありました。

これには芸能人などの闘病の報道にも垣間見えるような気がします。無理して出てきて亡くなってしまった歌舞伎役者。焦って復帰を急ぎ寿命を縮める女優。それを前向き、と捉える風潮。

「女優〇〇さんの癌の手術成功!」などという見出し。江戸時代じゃあるまいし、手術が成功しないなんて事はまずあり得ません。大変なのはその先の、抗がん剤、放射線治療。




まだ認知不足なんだなぁと思います。






「頑張らないという選択」を許さない風潮。「絶望」さえ許さない風潮。

癌というのは、治療後に一番の試練がやってくる。そう、再発の恐怖だ。ほとんどの癌は再発したら、ほぼ完治はない。誤解を怖れず言えば、再発イコール死だ。そんな感覚。術後は、ゆるゆるにしていないと…。

抗がん剤の副作用だってあるんですよ。私はうっ血性心不全。心臓が半分しか機能していません。もう治りません(笑)







アフラックのCMでは、若い癌患者が明るく笑顔で、前向きに生きる癌患者が笑顔を振りまく。うーーん…。男性患者のロングバージョン。
病歴のフリップが出ていて、ビックリ。再発、肝臓転移、二十代前半。これで、笑って生きる??なんでも明るく言いますね~、って、心が痛む。

肝臓転移、肺転移、脳転移、骨転移…。そして、命の火は消える。



笑いたい時には笑えばいいの。でも泣きたい時には泣かせてあげて。
そうやって、頑張り過ぎて生きてきて、癌になったのだから、生き方を変えないと…。
ゆっくり休んで、のんびりと過ごして、しあわせな時間を増やして、自分を大事にしてあげる事です。




「前向き」根性で、癌が治るなんて、そんな甘くはない…。

鬱も、同じです。
頑張るという生き方を変えることです。



自分優先。で、いいんです。他の人のことは、治ってから!✨


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コメント

うーん、お金さえ有れば、そう言う生き方ができるのに。残念!

No title

ずっと、ここに来ないで、コメント見逃しておりました。

せっかくいただいたのに、ごめんなさい🙏


癌は、ストレスも原因になりますよね。自分らしく生きていける事、それができたら、百人力です。
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プロフィール

ダリア

Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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