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リカちゃん

お人形さん

リカちゃん人形。
タカラのコマーシャルは、子供が好きそうな
色とりどりのきらめき。

食い入るように見る幼い私。

クリスマスが近い。

あのお人形が欲しい、と、勇気を出して言ってみた。

「私、あんなの安っぽくって大っ嫌い!」
「子供のくせにコンパクトだの口紅だの、馬鹿みたい。」

弟は、いつも何かしら希望通りのプレゼントが与えられる。
レゴ、リモコンカー。



さて、クリスマスの日。


プレゼントの包みを開けると、
母が気に入っていた高級デパートのイチゴのカギ編みのバッグと
申し訳程度に大人用のリップクリームが入っていた。

嗚咽で喉が痛くなった。
泣きたかった。でも泣いてはいけない。
絶対に泣いてはいけない。
でも、本当は
本当は大きな声で泣きたい。
でもそんなわがままは許されない。

「何よ、嬉しいでしょ、嬉しいわよね、高かったんだからね」

いらない、こんなの、と、心の中で叫ぶ。
でも、黙って下を向いた。


クリスマスの翌日にはお友達が集まる。
皆、当時大人気のリカちゃんを持って集まる。

私だけ持っていない。

ピンクのラインストーンがついたバッグの中に小さな淡い色のオモチャのお化粧品の入ったものを自慢げに広げる子もいる。ピンクや黄色、虹色のイラスト。小さなコンパクト。
うらやましかった。

ね、ちょっと貸して…。

やだよ。なんで。

ちょっとだけ…。触らせて…。

何で、やだ。

誰も貸してはくれなかった。

泣きながら歩く帰り道。

ひとりぼっちだった。





家に帰っても、イチゴのバッグを見るたびに嗚咽が込み上げて来た。
どこかへ隠した。

子供には子供なりの世界がある。そんな子供の気持ちを全く理解できない母。子供の表情や、様子を思いやるという気持ちが全く欠けている。

それから出かける時には、そのイチゴのバッグを持たない私を母は責めた。
泣きたかった。

持ってみなさいよ、ほらかわいいじゃない。
何よ、笑いもしないで。

泣きたかったが、作り笑いをするしかなかった。
大嫌いなバッグ。

そのバッグを大事にしない私を、母は憎らしいと責めた。

「こんなの捨てちゃうから、いらないんでしょ!」



私は、それを捨てる母を黙って見ていた。
自動的に感情を殺して。





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コメント

私も同じです。小学生の時の自転車、私は赤色のが欲しい。母はピンクのを買わせたい。赤と言う私に、強情だ!センスが悪い!女の子らしくない!と罵詈雑言。結局、赤にしたが、私が乗るたびに兄と「なに?あの郵便屋さん?」とバカにして笑ってました。虐待する親って、呆れるほど手法が同じですね。

名無しさんへ

名無しさんさん、どこに住んでるの?
関東ですか?関西?

もう、居ても立っても居られないです。
抱きしめてあげたい。

涙が止まらないです。
コメントよくくださいました。

かわいそうで、美味しいものいっぱい食べさせてあげたい。
抱っこしてあげたい!!
涙が止まりません。

必ず、また、コメントください。
私は、抜け出せたから。
色々、きっかけがあったから。もしかしたら、
助けるきっかけになるかもしれない!!!

今、出先なのですが、
急いでコメントしました。
また、帰宅したら、全部読みます。

見てくださいね!
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プロフィール

ダリア

Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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