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七夕飾り

〜思い出す事をランダムに書いています。
あちこち話が行ってすみません。
今日は、こんなお話。
七夕飾りのお話。

一年半の乳がんの闘病。
その頃は毎日毎日ひとに助けられて、
人の優しさが、こんなに心に沁みた日々はなかった。

闘病時の初夏。
七夕にの頃…、学校前のスーパーの駐車場に、
大きな大きな笹が飾ってあった。

その笹は、二階建てのスーパーの屋根まである立派なものだった。
きっと、男の人何人かで運んだものだということがわかった。
土台も組んであった。

ふと目をやると、
その、真ん中に息子の短冊があった。

「願いが叶いますように 」

他の子は、サッカーに選手になりたいだの、
可愛らしい願い事。プリキュアのなんとかがほしいだの、
書いてあった。

息子の短冊を見て、
私は、心が揺れた。

息子の手を握りしめて、空を見上げた。
『七夕の日…、雨、振らないとイイネ。』
こう言うのが精一杯だった。

息子は黙っていた。

ごめんなさい。ごめん。
辛かろう。

10歳の息子だ。
どうか、この子から、母を取り上げないでください。
こんなのでも、母なんです。
この子の母。

エンジンをかけて、クルマを出す。
家に帰ると、疲れたと、嘘をついて、ベッドにもぐった。

私は、子供の頃から生きるのがつらくて死ぬなんて怖くなかった。
できたら、早めに人生終わったらいいなぁとか、思っていたんだ。
でも、これは、学校全体で、作ってくれた七夕飾りなんだって思ったら、
私は絶対に生きないといけないんだって、思った。
そして、私は人にもっと感謝しないといけないんだって
思った。


家に戻ってベッド布団をかぶって馬鹿みたいに大泣きをした。


後にも先にもその場所に七夕の笹が飾られたのはその年だけだった。

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Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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