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ハサミを持つ妄想

母は、お洒落が好きだった。

クロゼットには、イタリア製のスーツや、お洒落な服がぶら下がっていた。
中学のある夏の日、
寝室で横になっていた時、そのクロゼットがちらりと目に入った。

そばに、洋裁道具とアイロンが置いてあった。

「いつか、あの服を全部あの裁ちバサミで、切ってやろう」
そんな思いが頭をよぎった。





全部服を切ってしまうんだ。母は、どんなに失望するだろう。

今、やろうか…。
いつ、やろうか…。






そんな事を考えていたら、母が入ってきた。

ハッとして自分の部屋へ行こうとした時、
わけのわからない怒鳴り声で、よばれた。

この頃は、もう母の声がすると、鳥肌が立つようになっていた。
鳥肌の立つ自分の腕を見て、
「あ、私、こんなになるんだ。呼ばれただけで鳥肌が立つんだ。」
と、思った日のことをよく覚えている。

ブルブルっと身体も震える。




でも、
当時は、なんとも思わなかった。
でも、フッと気がついた。その瞬間を実によく覚えている。






それって、おかしいですよね。
でも、これを誰に相談するのでしょう?
誰が助けてくれると言うのでしょうか?

なので、なかった事にするのです。全てを。
そして病んでいくのです。

〜〜〜〜〜〜〜〜

被虐待児は、生きるために自分の辛い経験を記憶から消します。私も、五十まで、「母が正しい、自分が悪い」と思っていました。その間、常に他人の機嫌を伺い、恐ろしい思いをしてこの世を生きるのです。
虐待は、犯罪です。こんな悲劇がなくなることが私の願いです✨
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コメント

なかったことにしないと生きていけません。誰も助けてくれません、見て見ぬふりです。助けない、見て見ぬふりも同罪だと思います。虐待は通報しないけど、自分に火の粉が掛かる火事は必ず119番しますから。人は怖いです。

No title

本当ですね。
今も、悲惨な虐待の事件が絶えません。

家の中が地獄なんて、ね…。
非公開コメント

プロフィール

ダリア

Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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