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葬儀にて

~お父さんへの感謝状、退院に際しての私の手紙…。





小さな頃、お散歩に連れて行ってくれて
野の花を摘んで、ススキの葉っぱでリボンを作って花束にして、私にくれてありがとう。いつもとてもうれしかったです。




土手に咲いた花をとってくれと言ってわがままを言った時、ずるずる滑りながらその花を摘んできてくれてありがとう。そんなことを私はよく覚えています。




ピアノを習わせてくれてありがとう。




ナックで、肩に花の刺繍のたくさん入ったグレーのセーターを買ってくれてありがとう。大事にとってあります。








とても可愛がってくれてありがとう。




縁側であぐらをかいて、お天気の良い日に私を膝に乗せて丁寧に爪を切ってくれましたね。








小田高へ一緒に行けてすごくうれしかったです。




長嶋茂雄に会わせてくれてありがとう。




野球を見に連れて行ってくれてありがとう。




富士宮で行ってみたかった料亭に連れて行ってくれてありがとう。




たくさん本を買ってくれてありがとう。




ゴルフを教えてくれてありがとう。




木工細工できれいな裁縫箱を作ってくれてありがとう。




いろんなことを教えてくれてありがとう。








いつも生きる姿を見ていました。




寒い冬の日、熱があっても、何があっても会社に行く姿を、今でも覚えています。




お父さんの仕事に対する取り組み方を私は見ていました。




私も人のために一生懸命仕事を続けています。お父さんの様に。お金はちょっとだけど、みんなに喜んでもらうことが、今、自分の喜びです。




お父さんが、真摯に地味に、そして、どんな時もまわりのために尽くしていた姿を知っています。




ギターの会でも、楽譜を作り、全員の分をコピーをし、皆に配る、そんなお父さん。




かっこよくて、おしゃれで、スポーツ万能で、努力家で、頭がよくて、
優しくて、お父さんは私の自慢のお父さんです。




少ししたら、ナッシュと行った運動公園にお散歩にいきましょう。




そして、私が馬に乗る姿も見に来てください。




私の仕事ぶりもお父さんに見て欲しいです。




もうピアノ教室は二十年続いていますよ。私のライフワークです。




それだって、ピアノを習わせてくれて、
仕事をする厳しさを黙って背中で見せてくれた、
お父さんのおかげです!




ゆっくり休んでね。






退院の時に書いた私の手紙。


最後に退院のお祝いの言葉を書いたが、削除してあった。


葬儀で、何か手紙でも披露しましょうと葬儀屋との打ち合わせで言われ、ダダが渡してしまったものだ。司会が代読してくれました。






しかし、代読した人がつっかえつっかえで…。私、なんだかオカシイと思っていました…。帰りに担当者がすっ飛んで来た(笑)


『すみません…泣いてしまいました。お式でのご長女さまの姿や、お式のご様子など拝見してこれを読んだら、つい…。プロとして、恥ずかしいです。お許しください。』


今日、一番泣いていたのは、息子とダダだった…(笑)あはは。


『いえいえ、父は退院の時、一回読んでおりますので、父には伝わっていますので、大丈夫ですよ。』
と、私。大丈夫よ…平気。




遺言で親族のみの無宗教のお香典もご辞退の歓談のみのお葬式でしたが、
写真をみんなで見て、愉しい話で大笑いしたり、父の逸話にびっくりしたり。


『dolceちゃん、不謹慎だったかもしれないけど、とっても愉しいお葬式だったよ』まーちゃんが言ってくれた。




『dolceちゃん、本当に良いお葬式だった。』たーちゃんが、泣きながら言ってくれた。




『昔よくやった新年会みたいで、本当にパパたち楽しそうだったね。』




『dolceちゃん、葬儀屋さんって泣く時もあるんだね。(笑)』
『本当本当(笑)』










ありがとう。お焼香も、お経も何にもないけれど(笑)














お花は百合と薔薇で真っ白にした。






会場は百合が静かに強く香っていた。

お花だけはたくさんたくさん飾りたかったから。




百合ってすごい。こんなに香るのね…。










歓談中は、父の演奏したクラシックギターと、フルートを流した。
ゴルフやスキーの写真、フルートやギターを演奏ているところの写真を大きく伸ばしていっぱい貼って、賑やかにした。
父の幼い頃の横浜の家の時の写真を見たら親戚が愉しいかと、八十年前のアルバムを用意した。
それを見て、皆、話に夢中。思い出の話。愉しい話ばかり。大笑いもたくさん。
私もいっぱい笑っちゃった。
そして出棺は、大好きだったアランフェス協奏曲の2楽章。




そして、出棺の時…
私は、クルマの窓から生前の父のマネをして大きくみんなに手を振った。





親戚のおじちゃんおばちゃん、いとこたち。驚く事に、笑ってニコニコで手を振ってくれた。なんだか、みんなかわいい(笑)
隣で、絶対、式で泣かなかった純ちゃんが大泣きしていたのが、車窓から見えた。
人っていいな…。
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プロフィール

ダリア

Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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