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そりゃ、草刈り機💦

弟が帰ってきたせいで、毎日毎日、色々起こる。今まで関わらずに済んでいた人間たちが、父のことで、ひとつの空間にいる。



弟は、しばらく会わないうちに、「怒鳴る人」になっていた。




一流のブランド品で身を固めた顔は険しく、クソほど生意気で、家中を消毒し始めた。自分の思いどおりにいかない場所にティッシュが置いてあると、怒鳴り散らす初老のただの親父だった。




小さな男になっていた。




母は、弟を恐れ、けれども、喧嘩をし、家の中はひどい雰囲気になった。弟は、昔の母そのものだった。
二人とも、喧嘩がお好き。








オムツが無くなってきたので、ドラッグストアに行こうとしていたら、




「Amazonで買えばいいのに、今時、なんでも買えるのに、知ってた?すぐ来るのに。お姉さんなんてびっくりしちゃうんじゃないの?」




と高笑いをした。












私は、母をホンダに乗せて、外へ出して、歩かせたい。もしかしたら紫陽花が咲いているかもしれない。素敵なパッケージのシャンプーを買えば、母が髪を洗うかもしれない。父が、オレンジ、オレンジとうわ言の様に何回も言うので、オレンジを買ってきて、良い香りを嗅がせたい。表面を少しおろし金で削ってみたらきっと良い香りがすると思った。






「そんなの、農薬だらけに決まってるだろう!Amazonで、フランスのナチュラルのアロマを買おう」
って、また、Amazonかね?フランスのそのメーカーのオンラインページから買ったら、もっと安いぜと思ったが、言葉そ飲みこんだ。






馬鹿じゃないのかね。いちいち怒鳴るなよ。
なんでも、Amazonで、買ったら全部良いと言うわけではない。出かけさせることが大事。












「福岡なんか大都会だからさ、俺、こんな田舎じゃ退屈で退屈で。やることないな。やっぱり、横浜とか福岡がいい。よく住んでるよなこんな田舎。俺は、こんなところ、やだわ…。』




『お姉さんインド行ったんだって?お母さんから聞いたよ。インド俺も行ったけどさ、ホテルから一歩も出なかったよ。え?ホテル?ヒルトンだっけな?忘れた。全部ツアーだから。ビジネスの。高いやつ。でも、あんなところ二度といかない!最悪だったでしょ。気持ち悪いメシで、もう、全部最悪だったわ。』








『そうだねー。』
ワタクシは、腹の中で、爆笑しながら、平静を保つのに必死。
オメーみたいなトンチンカンの都会人にはそうだろうね…。












私は、ここ二日もお風呂に入れなかった。入ることを思いつきもしなかった。




それを言ったら、臭い臭いと言う。そうだろう臭いだろう。でも、入れない。四六時中、父が私を呼ぶのだ。
「おーい。」
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん」
「ああ、ああ、   それは、    あの   アレだな」
「そうよ、ご主人さま」(ハクション大魔王ね!)
「アレも、  よく見たな…。なあ、  好きだったな  」
それで、眠ってしまう。










一応、髪だけは、お向かいにある美容室で、理由を話してブローなしでササッと洗ってもらった。でも臭いだろうね。








弟は義妹に電話して、




「俺が汚い風呂を掃除して、みんな全員風呂に入れてやったよ…。気持ち悪くてびっくりだね。笑えるよ。」




と大きな声で上機嫌だった。




会えて良かったよ。弟よ。君と電話でやりとりをしていた違和感はこれだね。




ひとって、見たらすぐわかる。君は近づいたらヤバい親父に変貌していたんだね。君もこの家で育ったのだものね。




そうして、そうやって、虚勢を張って生きなければ、やっていけなかったのだね。私は、ダダのおかげで、家で静かに生きられた。でも、君は会社で働かなきゃいけないんだものね。これは、嫌われているね。見たら一発でわかった。




私は、この先、もう弟に、連絡するのは無理だと思った。君がなぜダダにヘコヘコするのか、わからなかったが、それは社畜だからだね…多分。




ごめんなさい、君は、お金持ちだろうけれど、とても貧しい。君はその鎧のような服や持ち物で完全武装しているけれど、私には、わかる。って言うことは、君の小ささは、みんな知ってるんだよ。




なるほど、と、思った。
















弟は、父が呼吸をいるかどうか、たまに見に行く。
母と見ている。




が、タンが出て気になると、息を止めてタンを飲み込もうとする。
すると、母が、ベッドの柵に顔を埋めて泣きそうになる。弟も、脈を取る。




『あああああーーー』
と、タンを飲みこんだのか、声を出す。




「あ、よかった!!!呼吸が復活した。」
「少しアミノ酸を取らせると良く眠るかもしれない」






くくくッ(笑)






まるで、志村けんのコントのようだ。ありましたよね。葬式で皆が泣いていると、おばあちゃんが息を吹き返すってのが…。同じ事を何度も繰り返すのね(笑)










悪いが、ホントにおかしい(笑)




この二人は、「寄り添う」と言うことを一切しない。私には、動物の勘で、生きているかどうか、わかる。話して欲しそうな時には話す。でも、静かにして欲しそうな時は黙ってそこを去る。人がいると煩わしそうにする時もあるからだ。でも、黙ってていて欲しそうな時は、そこにいる。












そして、「弟さま」は、それに飽きると、
今度は、急に外が臭いと言い始めた。真剣に匂いの元を探す。
ガソリンを使った草刈機で、隣の人が、道の草を刈っているのだ。




「なんだか揮発性の匂いがする。俺、何か薬品を外にこぼしたかな…。」




『お姉さんみたいな、なんの役にも立たない私立の国文科と違って、俺、化学系だからさ。こういうのは、おかしいのすぐわかるのよ。』




いやいや、私には草のいい匂いがする。にしても50過ぎて出身大学の話なんか言うのって、だっさ。自分の人生のピークはそこですって人に多いパターン。




私は、可愛がってもらっている弟が幼い頃はうらやましかった。でも、小さな頃から全て思うがままに育つと、こんな風になってしまうのだと思ったら、私よりも弟の方が、気の毒なのでは?と思った。これでは、生きにくかろう。人生大変だろう。



人生トータルで見たら、「私の方が、しあわせかもしれない。」と、驚く様なことに気がついてしまった…。まあ、これも私の主観だが。。。






そう思えば…私は弟にこう言われたことがある。
『お姉さんは今すごくしあわせそうじゃない。いい気なもんだ。ダダの尻馬に乗って、何でもかんでもやりたい放題じゃない。いつだってダダと太郎が守ってるじゃない。お姉さん家族。みんなして、お姉さんばっかりいい思いしてるじゃない。』






それから、数年前も…。父が、一度佐賀県の弟の職場を見たいと言って、両親が、佐賀の弟を訪ねたことがあった。

私は、父に佐賀はどうだった?と聞いたら、一切口をつぐんでいたのが不思議だった。けれど、父は、色々見てわかったのだなと、私は思った。
『もう~、物凄い豪華なマンションで、会社に行ったら、休日出勤の人とばったり会って、その人が、部下だったらしいけれど、〇〇(弟)に、もう、平身低頭で挨拶してたわよ~✨✨』
とうっとり話したのは、アホの母。それを聞いていた父は、口を真一文字につぐんで、とても残念そうな顔をしていた。
あああ、アレはそう言うことだったのね。お父さん。
考えると、色々なことが一本の線につながる。








ああ、今、外で、草刈機の音が聞こえる…。知らないのだね。草刈機。笑える。ガソリンの臭いしかわからないかもしれないけれど、草の青い匂いが梅雨の湿った空気に漂う。






「なんだかうるさいから、窓、閉めて!早くして。これじゃお父さん、起きちゃうよ!」




大騒ぎ。草刈機🤣💦こんな物は田舎の日常の音。

起きやしねーよ(笑)



弟に会えてよかった。この人と真剣に電話でやりとりしていた私が馬鹿だった。このオヤジは、私とは違う人種…。




『なんだろう?この変な匂い??何か撒いてるのかな?』


でもクソの役にも立たない私立国文科出身のアホのワタクシは、


「あら?どうしたんだろうね、北朝鮮が攻めてくるんじゃね?」
とすっとぼけておいた。あははは。




ひどい口調で怒られた。
爆笑。(心の中で…)


ダメだこりゃ…🤣💦(ドリフ風にどうぞ!)
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プロフィール

ダリア

Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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