2020/07/06
冷たい緑茶はいかが?
スポイトでお茶を父の口にポタポタ入れる。キッチンで弟と母は電話をしている。
父と私のいるリビングのベッドは平和だ。
『お父さん、お茶、氷を入れました。今度は冷たいですよ。』
『ああ…。美味しい』
『それは良かった。』
『値段は同じか?』
『いえいえ、先程よりも…多少…いただきますよ。冷茶は、500円です。ホステスも美人なので、追加料金になりますが、いかがいたしましょう?』
『ああ追加か、ずいぶん美人だな…。』
『左様でございますか?うふふふふ』
氷の入った緑茶を、スポイトでポタポタ…。
受話器を持つ母が、声を荒らげた。
何か言い争いが始まったのだなぁ…。
『ああ…。美人さん、そこを閉めてください。それで、[お父さんはもう寝たいから、電話をやめてください」と言ってきて…。行ってきて…。』
『はい。』
母に再三言ったがまるで、耳に入らない。
『あの、男も(弟)お天気屋さんでな…。俺は…。ああ、でも俺とお前は、なんだか似てるようだな。最近お前の言動を見ているとな、お前の言ってることは、まるで俺の言おうとしていることと、…いつも、おんなじで…。お前の考えは俺の思う事と、いつも同じで…。…。』
『あらそうですか?本日のお支払いは、32000円でございます。』
『馬鹿に高いなぁ。この店は…。つけといてくれ。』(笑)
(笑)『あはは。では、ごゆるりと。』

大人になってから、こんな気持ちは初めて。。。
こんな風に父と心がつながれて…。
私の心に温かいものが流れるのをこの家で初めて感じられた。
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