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余命三カ月

前にも書いたが、母の子育てがおかしいと思ったのは、ずっとあと。
結婚して、自分が家庭を持ってから。

マンションのまわりには小さな子どもを持った家庭がたくさん住んでいた。

でも、どこの家も、子どもを怒鳴る声も、泣き叫ぶ声もしない。

おかしい…。

私は、自分の子どもを持ってから、さらに、実家への違和感を感じるようになった。
三十になっていた。

母の子育ては、おかしい…。そう思うようになった。

それまでは、怒りや悲しみは封印されていたのだ。
気がつかなかった。まるで別人格がいるように…。

恐ろしい事だ。なんと、母のことが好きだった。

しかし、自分の生きづらさは、もう頂点に達していた。
対人恐怖症。視線恐怖症。鬱。過度の神経質。
恐怖に駆られて生きる人生。

ひとが恐ろしかった。
蛇のように絞め殺されそうになる。
いつ怒り出すかわからないひとと言う恐ろしい生き物。
世の中、ひとだらけ。

ひとが、うじゃうじゃいるのだ。

そして私は、どんなに疲れていてもその『疲れ』に気がつかなかった。
フラフラでも、なんでも、我慢ができる。
生きることは辛かった。
全く希望なんてものは持ったことがない。
いつでも怖かった。

はっきり言うと、いつ死んでも良いと思っていた。
人生なんて早く終われば良いと思っていた。
誰に会っても、その人の機嫌を取らねばやっていられないという習性。
疲れきっていた。
自分を蔑ろにして。
自分なんかどうだって良かった。
ひとが怒らなければ…。

そうやって、神経をすり減らしてすり減らして生きてきて、
ある日突然、大きな病が降りかかる。

極めて悪性度の強い乳がん。
この抗がん剤が効かなかったら、


「あと、三カ月です」

「あと、三カ月です」


それは、こだまのように何度も頭の中で鳴り響く。

え…。

あと、三カ月か。


死ぬのか…。

何がなんだかわからなかった。


息子は、小学校四年。


自分の命なんてどうだって良いと思っていたが、
息子のことを考えると、夜、お布団の中で、
つーっと、生温かい涙があとからあとか流れてきた。
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コメント

ダリアさん、こんにちは。

わたしも同じです。
最近まで、母が大好きで、よく一緒にいました。
みんなに仲の良い母娘と言われていました。
自分がアダルトチルドレン ではないのか、と思い始めて調べたら、どんどん記憶が蘇って来たのです。
自分の生きづらさがどこから来るのか分かって、とても安定しました。

実は、わたしは、自分の生い立ちゆえ、ガンになるのでは、と思っているんです。
なので、今日のダリアさんのブログに驚きました。

優しいご主人と、愛する息子さんがいて、今ダリアさんもいる…良かったです。
心からそう思います。

No title

kさま

私は、全くがんになるなんて予想もしていませんでした。

がんの家系でもなく、ただただ心身の疲れに
気がつかずに、
『自分を休ませてあげなかった』
からだと、思っています。
忙しい仕事、幼稚園の本部役員、
ママ友とのお付き合い、地域の自治会長
そして、子育て、
ヘロヘロの数年間でした。

その上、あの母との面倒な付き合い。
Kさま、どうか、ご自分の心とからだを
ゆっくりする時間をとってあげてください。

がんの治療はとても辛いです…。

同じです。私も母に愛されたくて愛されたくて、抱っこされたくて、優しく撫でられたくて、優しく手をつなぎたくて、ただその為に生きていました。もちろん、そんな事あるはずないのですが。

No title

痛いほどわかります。

かわいそうに…。
言葉もないです。
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プロフィール

ダリア

Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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