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「生きたい」

生きたくなる、という感覚

生きたくなる…


それまでの、私は、命を無駄にしていた。
いつ死んでもいい、いや、できれば早めに命が尽きることを願っていた。





人生、辛かった。

何もかもが、辛く悲しい。
それでも、生きていなければならない。
何がそんなに、辛いのか…。



今、考えると、私は、間違っていた。

でも、心的外傷、神経症、鬱病ではあったので、それなりにかなり辛かったです。
いつも心にうっすらと覆い被さる不安と恐怖。


今でもね、常にあります哀しい心が。




でも、ひとって、もっと、しあわせなのではないか…。
皆は、きっともっとしあわせに違いない。
そうよ、ひとは、皆もっとしあわせ。
人生ってもっと、楽しくて、愉快。



自分だけがこんなに意味不明な不安と、闘って、消耗している。
そう思っていた。

人生のしあわせ度のハードルが分からなかった。



自分は、自分の人生の裏ばかり見ていた。



そうして、いつしか
完璧なしあわせを求めてしまっていた。



生きたい、と思ったのは、
余命宣告をされてからだ。


生きたい、と、思ったわけではなく、単に、死ぬのが恐ろしかったのだ。


それは、自分の為ではなく、幼い息子、主人を残して逝けない、と、
思ったからだ。



病院では、子を産んだばかりの若いお母さんの抗がん剤の点滴のベッドの横で、ご主人が乳飲み子をあやしていた。
その赤ちゃんの笑顔…。

息子さんの、サッカーの試合のお弁当をどうしても作りたいから一時退院をお願いするというお母さん。
放射線治療で髪が半分抜け、眼球摘出したというひとの笑顔。

一緒に闘病していたひとの葬儀。泣き崩れる子供。

葬儀の帰り道…、私の手を握って主人がきっぱりと言った。
『かあたんを絶対に、こんな風にはしないから。僕が絶対助けるから。』



ここで見た事。






今までは、なんでもできたじゃないか…。身体も動いたし、ある程度は、思い通りに生きてきたではないか。「子供のお弁当が作りたい」そんな希望って。。。そんなことが、どうしてもしたいって。。。命をかけてお弁当を作りたいなんて。。。
すごいと思った。




余命宣告をされてからも、変わらずに笑顔で食卓を囲むこの家族。
いつしか、主人の髪は白髪で真っ白になった。



庭の花は変わりなく咲く。
季節は巡る。



私が死んでも、きっとこうやって全ては流れていくだろう。



けれど、こんなに、私を大事にしてくれる主人と息子を、絶対残して逝けない。




セントバーナード犬のハイジさんは、常に私の足元に寝ている。
やんちゃ盛りの仔犬。
私に寄り添って、励ましてくれている。
歩けない時も、一歩一歩背中で私のことを支えてお散歩してくれる。
ひどい時は百メートルも歩けなかった。
それでも、我慢して私を支えてくれている。

仔犬なのだ…。きっと、走り回って遊びたいだろうに…。




主人は朝4時に起きて、1時間の犬の散歩に山に行き、息子の朝ごはんを作り、
ゴミ出しをし、洗濯をして出勤…。




近所の人たちには、
『家族の頑張りを見てると、涙が出る』
と、言われた。




「生きているだけで、良いのではないか…」
そういう考えが、ふと浮かんだ。



私が、生きて、存在するだけで、この家族が、しあわせなんだ、と
思ったら、生きなければ、と思った。
私は、死んでは、いけないのだと、思った。




それから、私は、拾った命。

花が咲いても、息子がふと笑っても、ああ、しあわせだ、そう思っています。
人生は、そんなに、薔薇色でなくたって良い。


そうなのです。ただ単に、私は、地獄を見たことで、欲を捨てたのです。
この大きすぎる欲は人生のお荷物。だから、身軽になって生きねば、と、思いました。


皆、何かを抱えて生きているんです。
そう思って、完璧なしあわせを求めるのを、やめた次第です。

生きたい、と、積極的に思ったわけではなく、極めて消極的に(笑)
生きねばならない、と思っただけなのです…。




しあわせは、来るものではなく、見つけるものです。きっと。
そんな事にやっと気がついた。



どんな辛い時でも、お庭の花にニコっとする時があるでしょう。
犬の顔にしあわせを感じることもあるでしょう。
美味しいお茶にホッとすることもあるでしょう。
それだけで、すっごくしあわせなんですね。
人生ってそれだけで、充分なんでしょう、と、今は思います。


2019年、夏  畑にて…。

これが、この花の畑が、私の日常のしあわせです。葡萄もなります。無花果もなります。薔薇もカンナも咲きます。そしてダリアも…。茄子も、ピーマンも、トマトも、インゲン豆も、ごぼうも…。
ここを耕して、汗をかいて、命の花を部屋にいける。お野菜たくさん。


~~今苦しみの中にいらっしゃる方々、こんな写真…。ごめんなさい。お目こぼしください。でも、自分の記録として、残しておきたくて…。でも、これは、30年苦しんでようやくたどり着いた、穏やかな時間です。

今、苦しい方…、きっと、こんな時間が来るのです。私も、ずっとずっと20年も薬を飲んで生きているのです。それでも、しあわせです。54歳の顔。

笑えなかった自分、笑えるようになりました。

『「生きたい」という感覚がわからないので、教えて欲しい』とのコメントをいただき、書いてみました。皆さま、いつも、コメントありがとうございます。
なんだか一緒に頑張る同志のようで、心強いです。

みなで、一緒に、青い鳥を探しましょう✨

~あ、でも今でも、心が弱いので、たまに辛い時もありますよ…。とほほ。



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コメント

No title

こんにちは。質問へ答えを下さって、ありがとうございます。

何度も何度も読みました。

私が、大切な人の中にも私が存在していることを自覚する、ということなのかもしれない、と思いました。

私以外の人の中に、「私」が大切に存在するなんて、思った事がなかったです。

見えていないけれど、見つけていないことがあるのかもしれません。


写真、素敵ですね。輝いている空気です。

Re: 「生きたい」

風鈴さま

ごめんなさい。
これは、ただの私の体験になってしまいました。
回答になっていなくてごめんなさい🙏

「お前みたいなバカはここまで苦しまないと、わからないだろ!」って
神さまに、ぶん殴られたんですね🤣✨

畑は、私の生きがいです。
どうしても、人よりも植物や、動物が好きなんです。

ようやく、写真でも笑えるようになりました。
絶対笑えなかったんです。緊張して…。
ここ数年で、自分、変わったなぁ、と、すごく思いました。
なので、記念です。

風鈴さま、お暑いので、どうか気をつけてくださいね。
私も、風鈴さまのコメントにすごく励ましていただいております。
ありがとうございます。








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プロフィール

ダリア

Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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