2018/07/04
陽だまりで
幼い頃、陽だまりでうたた寝をする。意識がなくなる寸前に、
たまに頭の中で大きな独楽が回る。
その独楽が心の中をひとまわりすると、
男の人の声で、
『死んでしまえ』
もうひとまわりするとまた男の人の声で
『居なくなってしまえ』
『消えろ消えろ消えろ』
『逃げろ』
『お前なんかいらないんだ』
と、静かに話す声が聞こえる。
あ、また聞こえると、思って聞いていた。
時には、
『あ、また来た、また来た」
『すごく回るすごく回る』
などわけのわからないことばも多かった。
でも、短い言葉を繰り返すという特徴があった。
心地良い男性の声。
そのうち眠ってしまう。
ずっとそうだった。
不思議と、幼稚園へ通うようになって
その声は聞こえなくなった。
きっと、外の世界ができたからかなと、
思う。
そのまま母と一緒にずっといたら、
私は、完全に病んでいたと思う。
温かい陽だまりで。
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コメント
おはようございます。
外の世界。わたしたちのような家庭環境だと、その世界はとても必要ですよね。
わたしも、それで救われたと思います。
2018/07/04 08:01 by k URL 編集
No title
おはようございます。
そうだったのですね…。
私は、きっと、発症ギリギリだったのかもしれないと思います。
これは、幼稚園に行ってから消えました。
母との時間がいかに辛かったかですね…。
これを気がつかない母は、
やはり、病気なのかと思っています。
母自体が精神的に問題を抱えていたのだと
思います。
kさま、どうか、今日一日、良い日をお過ごしくださいね。
2018/07/04 08:17 by Daria URL 編集
2019/02/07 10:27 by URL 編集
No title
どこかでガス抜きをしないと生きられなかったのですね。
名無しさん、そうするしかなかったのですよ。
自分を責めないでください。
2019/02/10 20:23 by Dahlia URL 編集