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20年続けた仕事

私は、仕事を持っています。
それは、自分からした事ではなく、最初は頼まれた事なんです。




私の家から聞こえるピアノを聴いていたお向かいの方が、小さなお嬢さんにピアノを教えて欲しいとおっしゃってくださったのです。
私は、国文科卒業のピアノの素人。
いいのでしょうか?と聞いたら、「Dahliaさんに教えてほしくて…」とおっしゃっていただいたので、ピアノのレッスンの真似事をさせていただいたのです。相場の半額以下で引き受けました。
まあ、子守り、兼お遊びのお付き合いで!と、気楽なものでした。




お向かいのユカちゃんは、時間になると、笑顔でやってくる。そして、ユカちゃんの家にあるのはピアニカなので、譜読みを教えるだけのピアノ教室です。
ミッキーマウスマーチや、童謡を弾きたいというので、それを、少しずつ一緒に弾く。
この仕事が、なんと口コミで、広がり、常に10人から15人くらいの生徒さんがこの二十年来てくださる。
ひとり30分。親御さん同伴でお願いしています。

そして紹介、紹介で、生徒さんは引きも切らずいらっしゃってくださって、現在に至ります。







そこは、まるで、私の勉強の場でした。
そこで私は、たくさんの事を学びました。
5時ごろから、数人家に来てくださる。
通勤時間無し。
掃除をし、花を飾り、庭を整えて、身なりを整えて、自分も練習する。

対人恐怖があっても、役割のある人間関係は、楽です。話すことは決まっているのです。気が楽。そしてある一定の距離を保った人間関係です。
これはとてもありがたかったです。

週に、三日。お母様と話し、お子さんとピアノを弾く。とても楽しく、お金をいただくのは申し訳ないくらいでした。






色々な家庭の方がいらっしゃいました。子育ての不安の話し相手になる事も多くありました。不登校児、自傷行為をやめられない子とその母、発達障害の子、支援学校に通う子、チック症のひどい子、親御さんの離婚、死別、色々な家庭のお子さんに会いました。

ここで、みんなの心を癒した看板犬は今は亡きセントバーナードのハイジさんです。ハイジさんを撫でて涙をポタポタ溢して子育てや家族の悩みを話したお母様もいらっしゃいました。

ハイジさんと私は聞き役。で、いつもは、大きなグランドピアノの下で寝ているだけです。でも、ハイジさんに会えるのを楽しみに来てくださる方も多かったです。





みんな、一生懸命に生きているんだ…。そう思いました。難しい事もたくさんありました。

私がここで学んだ事は、私にとっては財産です。



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三十代の自分と今の自分

30代の自分は、なんでも自分でコントロールしようとする完璧主義者でした。問題が起こると、すぐに対処するという人でした。~これは神経症の人の特徴らしいです。

周りがどう動くかが全くわかっていませんでした。周りがなんとかしてくれる、周りが対処するなど考えたこともなかったのです。
まさにたった一人で生きているようでした。これは癌になって自分を追い詰めるまでやっていました。~なので癌は私にとって必要な事だったのかもしれません。

全て、自分のせい、自分が頑張ってなんとかする、自分さえ我慢すれば、という考えで、ギリギリまで自分を追い込んでいました。






50代の今は、物事は、色々なひとの事情で事は動いていくもので、全てを自分でコントロールするとなどできるはずがないという事がわかり、~遅すぎますね(笑)問題が起きても、しばらく様子を見ようという知恵がつきました。

すると、助けてくれる人が出てきたり、誤解が解けたり、自分がしゃしゃり出なくても、問題が収まっていく事がわかりました。周りをよく見て、必要な対処を自分のできる範囲でする、ということが少しずつできるようになってきました。

すると、今までは、雨が降る事さえも自分が悪いような気がしていた(笑)けれど、「仕方がない」「私のせいではない」という考えが出てきて、自分を追い込まなくなってきました。
自分ひとりでなんでも解決できるなんて事は、ないとわかりました。

これは、毒母に仕込まれた、「あんたがなんとかしてよ!!」というメッセージを振り切れたからです。私ばかりが頑張らなくても良いと、わかったんです。






それは、人付き合いにも影響がありました。

三十代では、例えは、人とお食事をするなどの場合、沈黙が恐ろしく、早口で喋りまくり、さぞかし相手を疲れさせたことでしょうと今は思います。

五十代の今は、不思議と、その沈黙があまり怖くなくなりました。だって私ひとりがどうにかしなきゃいけないわけじゃないのですから。話したい人が話せば良いのです。

でも、今でもこれは完全に克服できてはいません。







そんなに人をコントロールすることはできないと、ようやくわかったのです。
逆に人にコントロールされることもないのだと、わかってきました。






そして、三十代の自分は、人との距離が全くわからない人でした。
お付き合いの距離がわからなかったです。
そして、意地悪な人を見分ける事もできませんでした。
これは、過去形では完全に書けません。今でも勉強中です。

そして自分の失敗を絶対に許さないところもありました。
自分が失敗することは「世間が」許さないのであって、「社会が」許さないと、
きっとそこまで自分を追い込んでいました。

でも、誰も自分にそこまで求めてはいないのです。
自分に全ての責任を取らせようなどと考えている人などいない事がわかりました。




今までは自分がいけない自分がいけないと常に思っていたのが、今は、人がいけない時もあるんじゃない?って思うこともできるようになりました。

そして、人が怖いという事は、自分を追い込んでまで治そうとはしないで、「怖かったら怖いと思って良しとしよう」と思って自分を許そうと思っています。






では、なぜ、それらが解決してきたかというと、

孤独な海外性格と癌の闘病で、ひとの優しさに触れた事、

子育てをすることによって、自分も幼児時代をやり直せた事、

二十年続けてきたピアノ教室で、自分が役に立つという感覚を持てたという事、

様々な、心に関する本を読みあさり、二十年間ひとつずつ自分の人生に照らし合わせて来たこと、

ブログで、人生の出来事を思い出して何年も整理して文章にして書く事で、混沌としていた苦しみが整理されてきたこと、
そして、コメントなどをいただいて同じ思いをして苦労されている方がいらっしゃる事がわかり、自分に共感していただけた事、これは大きかったです。


ダメな自分をどんな時でも受け入れてくれて、私のわがままをそっくり受け入れてくれた主人の存在、

毒母の加齢です。私よりも、生物的に弱ってきた母の姿です。


今まで、バラバラに書いてきましたが、いま一度、それらを整理して書いていこうと思います。



自分の頭を整理して、ひとつひとつに感謝するつもりで…。






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察してちょうだい!!ってば

毒母は、とにかく、絶対に弱音を吐かない人だ。
なぜって、高すぎるプライドが邪魔して、助けてと言えない。


で、そこでそのまま自分が頑張れば良いのだが、
文句たらたら、八つ当たりをしまくって、最終的には、いやいやひとりでやる、という形がデフォ。
恨みがましく、「誰も手伝ってくれない」と、泣きごとを言いながら、グジグジしながらやるのだ。



格好悪い。




先日、実家のクルマが車上荒らしにあった。
危険だから、セコムなどに入るか、センサーライトをつけるか、ドライブレコーダーをつけるか…と、対策をと言ったら、
「面倒くさい」といって、対策は打たないそうだ。

80を超えた父も、70半ばの母も、免許も返上しないという。
「もう、いちいちうるさい事しか言わないんだから!結局、自分たちで何もかもしなきゃいけないんだから仕方がないじゃないの!誰も手伝ってくれないんだからね!」





この人は、私に、何をして欲しいと言うのだろうか…。
この沈黙。





あのね、いつだってそう。




家の中も、要らないものがいっぱい。絶対に捨てない。最終的にこのガラクタを片付けるのは私かと思うとウンザリする。
管理が大変だから、不要な物は整理したら掃除も楽だよ、と言うと、

「失礼なこと言わないでよ、どれもこれも大事なものなんだから!!で、これ処分って結局私がひとりでやるようじゃないの!!!もうほっといて!!」

ああ、当たり前ではないか…。それは。これらは、すべて、あなたのもの。


「じゃ、悪いけれど、手伝ってくれないかなぁ、もう大きなものを運ぶのが大変なの」
とは、絶対に言えない。




『なんだか、今日は元気そうじゃないの。鼻息荒くて!』
と、はぐらかすのが精一杯。まあ、この下卑た物言いよ。





お前さ、新聞読んでる?今世の中でどういうことが問題になってるか、わかっている?
逃げているんだ。人生から。
そして、どこからか、弟が現れて、魔法のように助けてくれるのを夢見ているんだ。
ははははは。
弟はね、飛行機じゃないと来られない距離にいるのだ。





で、自分からは、助けてとは言えない。
これは昔から。

で、どうしろというのかというと、
『察してくれ』ということなのだ。

幼い頃からそうだった。やる事なす事、母の困りごとは私が察して手を出して助けないといけないのだった。五歳の幼児が、母親のお守りをする。
しないとどうなるか?

割れるのではないかと思う勢いで食器をガチャガチャ洗い、叩きつけるように掃除機を使い、新聞を机に叩きつけて、思いっきりドアを閉めて、ふて寝。






その度に、震える心。
「サチコ!!!何やってんの!!!」
怒鳴るのは気持ちが良いですかね?
嫌な名前。。。。

「弟の名前は、ちゃんと字画を見て、パパの大好きな井上靖の一字を使った名前なの。お姉ちゃんの名前は、もうめんどくさくて嫌だったから、パパの名前から一字とって、「子」をつけたのよ。だって、この子の名前なんて何にも考えてなくて。あははは。」

よく言っていた。









私は名前を変えた。~通称名だけですけれど。
嫌だったから。
スッキリしましたよ。
今の名前は、ね、なぜか、ひとに褒められるのです。
『わぁ、◯さんっておっしゃるの?ステキなお名前ですね✨』と。






あなたのゲームには乗りません。残念だけれど、察して動く奴隷はもういません。
困りごとを報告して、対策をいうと、怒り出す。欲しいおもちゃは、それじゃない!っていうことですね。
では、なぜ、車上荒らしにあったと、連絡してくるのかというと、それは、すぐに駆けつけて、慰めて欲しい、全て丸投げで、全部私に事の始末をして欲しいという事なのだ。
欲しいのは、対策ではなく、誰かの助け。

でも助けてとは言わないで、察して来て欲しいのだ。





これからは、何を聞いても、「あら、それは大変だったね」と言うだけにしよう。





対策を打つ気などないのだ。あれこれ考えても仕方がない。ただ、恨み言を言われるだけだ。

毒母はこう言う。
「私は誰にも迷惑をかけないで、最期までしっかり生きるつもりなの(ニッコリ)」

日本全国、いや世界中の向こう三軒両隣をウロウロしている全てのみなさまが、そう望んでいらっしゃいます。でも、思いがけない病や、身体の衰えで、思い通りにいくことなどないのが、世の常です。

自分だけは老いないと固く信じる滑稽さ。





頭がおかしいのではないかと、心の中で、灰色の侮蔑の気持ちが煙のように静かに広がる。悲しくも、心配でも、不安でも残念でもなんでもない。
ただただ、ひたすらに、ばかばかしい。

関係ないのだよ。もう。

で、電話には出ないことが一番良いのだが、ただ、万が一、人さまにご迷惑をかけたら、父の命に関わることがあったら、と思うと、半年に一回の電話にだけは、とりあえず出る。


さ、お買物にいってきます✨



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蜂の巣

大きな窓の日除けにと、数年前に葡萄の苗を一本植えた。


葡萄は、すくすくと育って、夏は日除けに、秋にはなんと、甘い葡萄が毎朝とれた。そして、葉が黄色くなると、冬には、枝だけが残り、温かい日が入ってくる。

その葡萄の葉に、小さな蜂の巣ができたのは、先月の半ば。
黒い蜂は一匹で毎日毎日巣を作っている。
朝窓を開けるたびに、その葡萄の葉は、目に入る。



蜂の巣。



ある朝、小さな蜂の巣を、私は、取ってしまおうかと、手を伸ばした。小さなうちに、処分してしまおうと考えたのだ。

けれども、この数週間のこの小さな生き物の営みを、この粗末だが温かい家を、私が、潰してしまっても良いものかと、はたと、手が止まった。
この葉は、蜂にとって、大事なものなんだよね。

こんな小さな蜂が、毎日毎日作っているこの家が、ある日突然に、消えたら、この蜂は、どんな思いがするだろうと、ちょっと考えてしまった。




こんなに、一生懸命になって、家は作るものなんだと、思うと、なんだか、この手でポキンと折ってしまうという事が、とても残酷に思えて、そのままにする事にした。
毎朝見るたびに、少しずつ大きくなる蜂の巣。

葡萄の葉の裏に作ったものだ。そんなに大きくはなるまい。
ここで、温かい家庭ができるのか、と、思ったら、なんだか、壊せなくなった。
蜂はここで、子を育てるのか?
そう思ったら、これをそっくりそのまま見ていたいような気がした。



厄介と思っていたこの巣が少しずつ大きくなるのを、毎朝見るのが楽しみになった。
こんな小さな蜂だって、子を育てるのだ、と、思った。

育むという豊かさを、この目で見ている。
朝になると、また今日も、黄色く層ができてお家は大きくなっている。


温かいおうち。


子を育てる家は、温かく、ぬくもりのある息をして、葡萄の葉の裏で、ひっそりと今日も、確かにある。
いつしか、愛おしいこの蜂の巣。

こんな小さな蜂でさえ、命をかけて家を作る…。

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プロフィール

ダリア

Author:ダリア
可愛くない私を、嫌々育てた母。仕事第一の父。そして溺愛された弟。病んでいく私。
ネグレクト、被虐待児のいく末です。

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